前回、保育所等訪問支援を未就学児が利用するメリットについて、実際に保育所などに多数関わられてきたOTの松丸先生のお話から考えてみたのですが、その際に「就学後のメリットについても教えて欲しい!」というお声を複数いただきました(^^)!
今回はそのテーマで書いてみようと思います。
小学生になったお子さんが保育所等訪問支援を受けるメリットは(主語がいくつかになりますが)
1. お子さんが学校で円滑に生活していくための専門的な支援を学校に居ながらにして受けることができる。
2. (保護者様が) 学校でのお子さんの様子を知ることができる。
3. (先生方が) お子さんの特性を理解し、具体的な配慮をすることができる。
4. (保護者様や先生方が) お子さんを別の視点から見つめ、新たな良い面に気づくことができる。
5. (保護者様や先生方が) 相手との信頼関係につながる。
この辺りが考えられます。
1歳半健診や3歳児健診、保育園や幼稚園での集団生活などをきっかけに、お子さんの成長・発達について周囲から声をかけてもらい、幼児期から療育を始められたという方も多いと思います。
「療育は早期から」とよく言われるように、未学習や誤学習を防ぐためにも、適切な支援が開始されるのは早いタイミングが良いのです。
他の子と比べずにその子の成長を見れば、一歩一歩進んでいる!
ただ、順調に療育を受けてきたお子さんたちにある時転機が訪れます。
…そう、就学です。
児童福祉法に基づく障害児通所支援施設も、就学のタイミングで「児童発達支援」から「放課後等デイサービス」とサービス名が変わり、国が位置付けている役割・内容もガイドラインがそれぞれ少しずつ違ってきます。
小学生以上は文科省管轄の学校教育現場が生活の中心となり、子どもたちを取り巻く環境も変わってくるわけですね。
そこで、それまで療育の効果を十分に感じてきた親御様としては「小学生以上も継続して療育を受けたい」という切実な願いがあるのに、「制度がそのようになっていないため継続できない」というズレが生じてしまうわけです。
このズレがどれくらい大きいか、と言えば、もうそれは「すっごい大きいです。かなりズレてますよ~」と政治家の方々にお伝えしたい。
ここオルフルドのある東京都目黒区近隣で、療育的な支援を放課後等デイサービスでも行っている事業所の待機リストがあっという間に100人を超える(大手さんの事業所では200~300名という噂も!)という現状があります。
要は、小学生に上がっても療育的な観点で子どもの成長を見守り、関わってくれる人が必要とされているわけですが、現実には教育的な観点で子どもを評価する制度しかないのです。
日本の誇る義務教育ですから、教育のスペシャリストである先生方がたくさんの子どもたちに教えてくださるわけですが、その中に少しだけ入らせていただいて、「療育的観点で子どもを見ることをしている」それがオルフルドの保育所等訪問支援だと思っています。
もう少し、別の基準で、違った観点で…子どもたちを見ると、お子さん一人一人のオリジナルが輝いて見えてきます。学校の先生方とそれらを共有していくこと、そして普段の様子がなかなか見られない保護者様にそんな私たちの発見をお伝えしていくことを大切にしています。
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